オトナたちによって作り上げられた「悲劇のスター候補」だったのかもしれない。女子フィギュアスケートの本田真凛(大阪・関大高)のことだ。まだ16歳でルックスも抜群。人気もうなぎ上りだったが、2017年12月の全日本選手権で総合7位に終わり、期待されていた韓国・平昌五輪の代表入りを逃してしまった。
本田に先行投資していた企業や彼女にスポットライトを浴びせ続けていたメディアからは落胆の声が漏れている。しかし、これは本田を必要以上に持ち上げてスターにしようと目論んでいた取り巻きにとって自業自得の結果と言えるのかもしれない。逆に本田自身にとっては真の実力と周囲の過度な期待がかけ離れていたにもかかわらず、どうしても突き進まなければならない重圧に苦しんだ末の悲劇になったと言えるのではないだろうか。
確かにノービス、そしてジュニア時代から本田は光り輝いていた。16年のハンガリーで行われた世界ジュニア選手権に初出場で優勝を果たすなど頭角を現し、次世代のスター候補として注目された。実力があって、しかも美形。妖艶な表現力にも定評がある。三拍子どころか五拍子ぐらいそろっている本田を世の中が放っておくはずがなかった。
おりしも昨年4月に元世界選手権女王、浅田真央が引退。日本女子フィギュア界は新たなスターを追い求めていた。その流れを受けて本田は“ポスト真央”として祭り上げられ、シニアデビュー。昨年7月に米ソルトレイクシティで行われたUSインターナショナルでいきなり優勝し、鳴り物入りで転向した直後の初戦で結果を出したことで世間は大きく騒いだ。
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