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“平均点”から抜け出した生保営業マンの「ちょっとした差」成果につながる行動とは(3/3 ページ)

» 2018年01月29日 11時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]
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気付けば友達は1500人

photo 知り合いの輪を広げる活動が実を結んだ

 契約をさらにたくさん取るために、特別なことを始めたわけではない。それまでに積み重ねた小さな行動が、大きな飛躍への土台になったのだ。

 「あるとき、気付いたのです。いつの間にか、Facebookの友達が1500人になっていました。入社したころは100人ほどだったのに」。Facebookには、結婚や子どもの誕生、病気など、さまざまな生活の変化が書き込まれる。それこそ、多くの人が保険を考えるタイミング。Facebookがそのタイミングを教えてくれていることに気付いた。

 結婚や出産などのタイミングなら、保険を必要としているかもしれない。その人たちに声をかけてみると、話を聞いてくれる割合が高かった。それまで、入社当初の苦い経験から、知り合いには自分からあまりアプローチしていなかった。しかし、知り合いを増やしたことで、保険に興味がありそうな人も増えていた。保険を考えるタイミングが来ている人に声をかけ、積極的に会いに行くようになった。

 「みんな最初は半信半疑ですが、話を聞くと入ってくれることが多いです」。期待に応える、最高の商品設計をして、メリットを享受してもらいたい。そんな気持ちは入社当初から変わらない。当初は空回りしていた気持ちが、保険を必要としているたくさんの人に届けることができるようになった。厚生年金や健康保険、家族構成、収入、病歴など、一人一人違う条件に合わせて、ベストだと考える商品を提案している。

 築いてきた知り合いの輪を生かして、自分から声をかけるようになった。これだけの変化だが、最初の4年間と比べると、年間の成績は「2〜3倍になった」という。コツコツとやってきた、知り合いを増やす行動が実を結んだのだ。「誰にでも保険を考えるタイミングはあります。知り合いを増やせば、そのタイミングに合う人も多くなります」

 今は飛び込み営業はしていない。知り合いからの紹介や問い合わせ、結婚などのタイミングに合わせたアプローチだけで、トップクラスの成績を維持している。


 野村さんの成績を伸ばした「ちょっとした差」とは、日ごろの意識と行動の差。「100%頑張っていても、もっと成績が上の人はいる。そうすると、今よりも何倍も働かなければ追い付けないのか。そんなことは無理です。そうではなくて、飛び込み先を1日3軒増やすとか、ちょっとした違いを重ねていけば、1年で大きな差になります」。簡単に、すぐに結果を出す方法はない。時間をかけて得た成果は、その後も自分の糧になってくれる。

 「昔は『自分が救ってあげるんだ』という気持ちがありましたが、今は変わりました。お客さまに今よりもベターな選択肢を提供できればいいと考えています。将来の心配が少なくなって、笑顔が増える。そのお手伝いを継続していきたいと思います」

営業の極意:

  • 知り合いの輪を広げて、保険を必要としている人に自分を知ってもらう
  • 相手の生活の状況や、抱えている不安に寄り添う
  • 結果を急がず、「ちょっとした差」を生む行動を積み重ねる

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