最後に「悪態」にも触れておく。筆者は何度か高梨を取材する機会に恵まれているが、そこまで彼女に対する悪い印象はない。ただしここ最近、メディアとの「距離感」を覚えるのは事実だ。何人かのメディア関係者が不快な思いを抱いたという話は確かに聞く。
とはいえ、高梨の側に立ってみると彼女にも言い分があるように思えてならない。一部メディアからバッシングを受けメイクやベンツで揚げ足を取られていけば、マスコミ不信に陥っていったとしても何ら不思議はないだろう。しかも彼女は人並み外れた強い精神力の持ち主だけに、逆に開き直って「ツン」とするかのように今のような我が道を行く姿勢をあえて前面に打ち出しているのではないだろうか。そういう気がする。
高梨の名誉のために強調しておくが、彼女は平昌五輪に向けて陰ながらここまですさまじい猛練習を重ねてきた。今は「ヒール」でも金メダルを手中に収め、必ずや「ヒーロー」になってみせる。大人の女性になった21歳のジャンパーが、そう心に誓いながら4年越しの雪辱戦に臨む。
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
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