小田急は千代田線、JR常磐線、箱根登山線に乗り入れており、路線図にも各路線の駅名が表記されている。
今や、利便性向上のため「他社線との相互接続」は欠かせないものとなった。しかし、その一方で路線図は「長大化」に悩まされはじめている。限られたスペースに全ての路線と駅名を入れ込むため、各社苦労の跡がうかがえるのだ。
例えば、みなとみらい線。東急・東京メトロ・西武・東武と相互接続しており、5社5路線が乗り入れる。神奈川県の元町・中華街駅から、渋谷や新宿を通り、埼玉県の森林公園駅まで南北に延びる路線になるが、それをそのまま直線で配置するスペースはない。苦心の跡がみなとみらい線の路線図から見て取れる。
みなとみらい線から北に向かうにつれ、渦巻き状に折りたたまれる路線図になってしまった。これが地図なら「みなとみらい駅と飯能駅って近いんだ」と勘違いしてしまいそうだが、路線図はあくまで「駅と駅とのつながり」を表現することが最優先。地図上ではおかしな位置関係でも、(ある程度は)違和感なく駅を認識できるのが面白いところ。
小田急の路線図の場合、相互接続部分をグレーで囲むことで「小田急とは別のエリア」を表現しているため、みなとみらい線ほどの「時空のゆがみ」は感じない。
今回の変更では、JR常磐線は駅ナンバリングが追加され、1駅あたりの情報量が増えた。また、小田急の車両種別の増加に伴い、上下の幅が狭くなってしまった。表記に十分なスペースを確保するため、左側へエリアが拡大している。
先ほど、駅名が路線の上に移動したと述べたが、新百合ヶ丘〜町田が路線の上側に移動したことで、このエリア拡大も可能になっていることに注目したい。改めて、細かい位置の調整が行われていることに頭が下がる。
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小田急の特急ロマンスカーが残した足跡Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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