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» 2018年03月09日 08時00分 公開

常見陽平のサラリーマン研究所:人事異動は“深読み”しなければいけない、これだけの理由 (3/3)

[常見陽平,ITmedia]
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未来につながるネタがきっとある

 人事異動は、経営陣から社内外に対する分かりやすいメッセージである。自社だけでなく、競合他社や気になる企業についても調べてみると業界動向のヒントが転がっている。

 どのような経験を積んだ者が経営陣になったのかは注目すべき点だ。もちろん、年齢は確認する。社長の若返りはもちろんだが、若くして役員になった者がいると、その企業で世代交代が進むのではないか、会社の構造改革が進むのではないか、などと予測することができる。

 例えば、筆者の古巣、リクルートグループとバンダイナムコグループの役員人事を見てみる。リクルートグループにおいては、グループ全体のガバナンス強化のほかに、グローバル化、ITへのシフト、スピードアップを行う意志を感じた。

 またメディアを強化するだけでなく、組織の結束強化も行うだろう。なぜこのように感じたのかというと、国内事業統括会社の社長にメディアやネットに強いだけでなく、多くの人に愛されているキャラが抜てきされたからだ(ちなみに、その社長は筆者の同期である)。

 バンダイナムコグループにおいては、組織再編に伴い、主要事業者間での役員異動などがあり、グループ全体の強化や、新たなエンタメ創造への意志を感じた次第である。

 では、ここで問題である。冒頭でLINEの田端氏のことを紹介したが、なぜ彼はスタートトゥデイに入社したのか。

 スタートトゥデイはPRが大事なタイミングに差し掛かっていて、田端氏のような発信力のある人材を求めているのではないか。この推論は当たっているかもしれないし、間違っているかもしれない。ただ、自社や競合の採用広告を読み比べると、「どんな人材を必要としているのか」といったことが透けて見えてくるのだ。

 繰り返しになるが、会社の人事異動をウォッチしよう。よーく見ると、読者の未来につながるネタがきっとあるはずだ。

常見陽平のプロフィール:

 1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。

リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。


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