4点目は業務内容を正確に伝えて新人を早く1人前にすることだ。
多くのサービス業では現場のスタープレーヤーが本社に異動し、教育や作業マニュアルの作成に携わる。特に飲食業界では問題が顕著になるのだが、「きれいにもりつける」「おいしそうな焼き目をつける」といった感覚的な説明しかできない作業もある。説明するのが難しい作業の言語化を積極的に行ってこなかったことが、「見て覚えろ」「紙に書いてあることを読め」といった非効率な方法を温存することにつながった。「仕事ができる人は分からない人がどこでどのように困っているかが分からないという状態に陥りがちです」(庄司氏)というのが根本にある。
従業員をスピーディーに即戦力とするのは生産性向上の王道だ。紙だけのマニュアルを見直したり、意識的に研修の時間をねん出したりすることが必要だろう。
サービス業で生産性向上に取り組むならば、まず取り組むべきは従業員を不必要な業務から解放することだ。そして余裕ができた時間を使い、部下の育成やこだわり領域のサービスを強化すべきだ。この循環がうまくいけば職場の生産性だけでなく業績にも好影響が出てくるだろう。
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