2点目はやらなくてもいい業務を減らすことだ。
生産性向上のためにチェーン店の本部やマネジメント層ができることは、不要な仕事を減らしてあげることだと庄司氏は指摘する。大手外食チェーンでは現場のオペレーション負荷を減らすために、以下の取り組みを始めている。使用する食器の種類を減らす、発行するクーポンを減らす、食材の発注業務をITで代行する――。一時的に売り上げが落ちたり、追加の設備投資が必要になったりするので優先順位をつけるしかない。
不要なサービスを減らすことも大きな成果が見込める。一例だが、激安居酒屋を訪れる客は最低限のサービスが受けられれば十分満足するものと割り切り、従業員に客の下駄箱の靴をとってあげる必要はないと伝える。ビジネスホテルのフロント業務ならば自動精算機を導入するといった具合だ。お客が「放っておいてほしい」「精算するために朝の忙しい時間にフロントに並びたくない」と考えているならば、むしろ満足度は向上することになる。
サービス業の経営陣は「お客様のため」という理由で、丁寧なサービスを提供することが「正しい努力」と思い込む傾向が強い。だが、不必要なサービスを「割り切り領域」として削減することでうまれた時間を「こだわり領域」のサービスに投入することこそが顧客満足の上昇につながる。
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