まずこの騒ぎは、すでに述べた通り、内閣府に告発文が出されたことから始まっている。だが内閣府に告発を行うことがどういう意味合いを持つのかが分かりにくい。
今回告発状が提出された内閣府の公益認定等委員会とは、公益財団法人を監督し、内閣総理大臣からの権限の委任のもと、立入検査を含めた監督や勧告を行うことができる。おそらく勧告などが出たり、刑事告発で逮捕者が出たりするようなことがない限り、海外メディアで大々的に報じられることはないだろう。またそうした話があって、タイミング的にもニュース価値があると思われる場合に初めて海外のメディアは動くことになる。
さらに文春の続報(3月22日号)では、栄氏の女子選手へのセクハラ疑惑も多数寄せられているという。現在、米ハリウッドの大物プロデューサーのセクハラ疑惑が大きな騒動になったことをきっかけにして、世界的には女性に対するセクハラを問題視する「#MeToo」というムーブメントが起きている。仮に伊調氏の話が栄氏のセクハラ問題に広がっていくようなことになれば、欧米でも大きく報じられる可能性がある。
今回の伊調氏にまつわる報道を見ていると、次々と新たな情報が出てきており、状況は混沌(こんとん)として分かりにくい。そもそも、外国メディア関係者で報道を追っている人がいたとしても、よく分からないという状態になっているのではないだろうか。
文春による伊調サイドの言い分をメインにした一報から、さまざまなメディアが後追い報道をしている。そしてそうした記事や報道を見ていると、ニュース自体が当初の印象から変わってきていると感じる。
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神戸製鋼問題で世界が問題視する「日本企業文化」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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