トイザらスを破滅に追いやったのは誰か、得するのは誰か来週話題になるハナシ(1/5 ページ)

» 2018年03月30日 07時43分 公開
[藤井薫ITmedia]

 2017年9月に経営破たんし、再建を目指していた米玩具販売大手のToys“R”Us(トイザらス)が、とうとう米国内の全店舗を閉鎖もしくは売却する。

 トイザらスは、オモチャを専門に扱い低価格で販売するいわゆる“カテゴリーキラー”として、米国で1980年代から90年代にかけて一世を風靡(ふうび)したブランドだ。

 トイザらスが全盛期のころは、新商品や話題の商品をいち早くチェックする場所として、またギフトを買う定番の場所として人気だった。多くの米国人にとっては、トイザらスとともに育ったと言われるほど、何度も訪れたことがある思い出深い場所でもある。

 だからこそ、米国のアイコン的なブランドが消えてしまうというニュースに、衝撃が走ったのは言うまでもない。

 近年、経営破たんに追い込まれるブランドが後を絶たない。その一因が、ネット通販の台頭とされるが、果たしてそうなのだろうか。時代の流れとはいえ、トイザらスがビジネスを清算することになった理由は、実はそれだけではないようだ。

 トイザらスのビジネスが立ち回らなくなったのは、ネット通販大手のAmazon.com(アマゾン)が原因だと言われているが、実は自滅だと言える。

 問題の発端はもっと前に起きていた。それは、自社が抱える負債だ。

米国の玩具小売大手トイザらスが、米国事業を清算すると発表した。写真はニューヨークのトイザらス
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