KDDIが提案する「ワクワク」とは? 高橋新社長が就任会見で語ったことサッカー本田選手とタッグも(1/3 ページ)

» 2018年04月05日 17時03分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 「KDDIを“ワクワクを提案し続ける会社”にしたい」――田中孝司前社長の後を継ぎ、4月1日付でKDDIの新社長に就任した高橋誠氏は5日開いた会見でこう強調した。今後は主力の通信事業と、金融やEC(インターネット通販)などの「ライフデザイン事業」を融合して「auユーザーを中心とする顧客の体験価値向上を目指す」という。

photo KDDIの新社長に就任した高橋誠氏

 主力の通信事業の方針は、「引き続きMVNO(仮想移動体通信事業者)への顧客流出を食い止めたい。現在は『auピタットプラン』『auフラットプラン』が好調で、累計契約数が700万件に迫る勢いだ。今後は新規獲得よりも解約率低下を重視し、課題をさらに解決していきたい」とした。

 KDDIはIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、5G(第5世代移動通信システム)といった技術の発展にも積極的に取り組んでいるが、高橋社長は「新技術ありきのプロダクトアウト(作り手側がよいと判断したものを売る手法)ではなく、ユーザー目線に立った上でサービス開発に取り組みたい」という。

 高橋社長は「5Gは大容量・低遅延な通信技術だが、かつて3Gが登場した際も同様の評価を受けていた。だが当社はユーザーのニーズを踏まえ、小容量で楽しめるeメールや『着うた』をあえて展開した。5Gの実現後も当時と同じ価値観を忘れずにいたい」と表明。

 「今後、AI・IoT領域に対する他社の新規参入も予測されるが、競争があってこそ新たな成果が生まれる。全力で“大変革時代”に対応していきたい」と意気込んだ。

新施策を続々発表

 会見で高橋社長は「皆さんへのプレゼントだ」と前置きし、ライフデザイン事業の新施策を次々と発表。今後の経営方針の一端を明らかにした。

 新施策の1つ目は、「au WALLET プリペイドカード」の機能拡充だ。(1)残高不足時に不足分を銀行口座からオートチャージする機能、(2)チャージ残高を個人間送金できる機能、(3)チャージ残高を「じぶん銀行」の口座に払い出せる機能――に同日から対応し、使い勝手を大幅に向上させた。

 高橋社長は「金融庁の規制上、ポイントの送金や現金化を提供するには銀行免許が必要だが、『じぶん銀行』を持つ当社は課題をクリアしているため、利便性を高めるため導入に踏み切った」と経緯を話す。

 「詳細は話せないが、今後は年内にもQRコード決済を始める計画だ」と明かし、「LINEの『LINE Pay』やメルカリの『メルペイ』など競合は多いが、サービスを広めるため各社と協力して加盟店を増やしたい。決済方法として定着させた上で競争できれば」とした。

photo 「au WALLET プリペイドカード」の機能拡充の詳細
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