CX-5に気筒休止エンジン登場池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/4 ページ)

» 2018年04月09日 06時30分 公開
[池田直渡ITmedia]
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切り替えが分からない

 こうしてめでたくWLTP対策用の気筒休止エンジンは完成したのである。理屈は理屈だが実際に乗って走ってみてどうなのか? それがダメならば話にならない。今回マツダは試乗車に特別に気筒切り替えが分かる仕掛けを取り付けた。エンジン制御のケーブルから配線を引っ張り出し、専用アプリを入れたスマホで2と4と言う数字を表示して、切り替え状態が分かるようにした。もちろん市販車には付いていない装備だ。

特別に取り付けられたスマホによって切り替えを可視化しているが、これがなければ切り替えに気付くのは難しい 特別に取り付けられたスマホによって切り替えを可視化しているが、これがなければ切り替えに気付くのは難しい

 筆者は都合1時間、このSKYACTIV-G 2.5に乗ったが、その切り替えは見事なものだった。表示を見ていれば切り替えに気が付くこともあるが、それなしで切り替えのタイミングを当ててみろと言われたら降参するしかない。2気筒になったときも急に振動がひどくなったり、煩くなったりしない。仮にアクセルを踏み込んで負荷を高め、加速するようなモードでも2気筒のままであれば、そこはいろいろと問題が発生するのだろうが、そういうときは残りの2気筒が復帰して4気筒に戻り、スムーズに加速してくれる。

 エンジンフィールも良好で、ディーゼルより明らかに鼻先が軽く、元々がスポーティな味付けのCX-5だけにその身ごなしの軽さはディーゼルモデルにはない魅力になっていると思う。

 とは言え……とここまで気筒休止エンジンについて長々と書いてきながらの結論としていかがかとは自分でも思うが、筆者が自分で買うとしたら多分ディーゼルを選ぶと思う。その理由は、SKYACTIV-D 2.2は現世代の傑作エンジンの1つであり、CX-5はその傑作エンジンを味わうのに最も相応しいモデルだと思うからだ。

 しかし、以前と比べてガソリンモデルがより魅力的になり、ディーゼルとの差が縮んだことは確かである。CX-5を買おうとするなら少なくとも両モデルに試乗してみることをお勧めする。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。

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