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ロボネコヤマトが初の「無人宅配」実験に成功「非対面での受け取りニーズ」を自動運転技術で克服(1/3 ページ)

» 2018年04月25日 06時00分 公開
[今野大一ITmedia]

 ヤマト運輸とディー・エヌ・エー(DeNA)は4月24日、宅配車両に初めて自動運転技術を使った宅配サービスの実験を神奈川県藤沢市で実施した。両社は人手不足対策として、自動運転車を使った宅配サービスの実現を目指すプロジェクト「ロボネコヤマト」を2017年4月に開始。これまでは運転席にドライバーが乗った有人での実験であったため、今回が初めてのドライバーレス(運転席にドライバーが完全に乗らない状態)での実験となった。

 ヤマト運輸の畠山和生設備管理部長は「無人になったときに安全が確保できるか、非対面での配送を受容してくれるかを確認したかった。無人になった場合はドライバーの負担を下げることができる」と狙いを語る。

phot 運転席に誰も乗っていない車両が時速5〜10キロで走行
phot 公道を封鎖しての実験となった

 「ロボネコヤマト」は車内に保管ボックスを設置した専用EV車両を使用した次世代物流サービスだ。人工知能(AI)による配送ルートの最適化によって、受け取り時間を10分刻みで指定できる。希望の場所と配達時間帯に受け取れるオンデマンド配送サービス「ロボネコデリバリー」と、地元商店の商品を事前にインターネット上で一括購入し、運んでもらえる買い物代行サービス「ロボネコストア」の2つのサービスを提供してきた。  

 これまでの実験では、ドライバーが車両に乗りつつも、荷物の発送・受け取りには関与せず、利用者自身が荷物を車両から取り出すというサービスを運用してきた。宅配便を受け取る人はスマホであらかじめ指定した時間と場所で待ち、到着後ロッカーを自分で解錠して荷物を受け取る。到着の3分前にはスマホに配達を知らせるメールも届く。1日あたり20〜50件の利用があり、無事故だった。

 今回の実証実験での自動運転レベルは、特定の場所に限りクルマが交通状況を認知して、運転に関わる全てを操作するレベル4だった。車両は、あらかじめ入力された3Dマップと、搭載されたカメラ、携帯電話網を用いて送信された信号情報などを、車載用のPCが総合的に判断することで無人での走行が可能になっている。3Dマップにはガードレールや標識なども含めた細かな地図情報が入力されているという。

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