実際には間違った対処法による副作用で、新たな問題が沸々と浮上していたとしても、問題を問題として認識するのはムリ。人は「これだ!」といったん確信を持ってしまうと、それを支持する情報だけを探して受け入れ、確信に反する情報を探すことも、受け入れることもできなくなります。
この心の動きは、「確証バイアス」と呼ばれています。人は見えているものを見るのではなく、見たいものを見る。なんとも不思議な心のメカニズムを持っているのです。
ですから、どんなに部下たちに不平不満がたまろうとも、「コミュニケーション=会議」と確信している社長さんは、「残業を減らすために、わが社ではコミュニケーションを良くすることに務めています!」と胸を張る。
「情報交換・議論の場=会議」と確信している部長さんは、「やっぱり自由な意見をぶつけ合うと、社員はやる気になりますよね〜!」とご満悦。
そして、1列に並んで“社員さま”をお出迎えした経営陣は、「あいさつは大事ですよ。ホントに大事!」と、あいさつがなぜ、どう大事なのかも考えることなく、自己満足に浸っているのです。
確証バイアスの存在を証明した有名な実験の1つが、1979年に行われた「死刑制度の論文検証」の実験です。
- 必殺・新人つぶし! ――裸になれない“小ジジイ”の壁
新入社員を待ち受ける“小ジジイ”の壁。小ばかにした態度で指示したり、自慢話を延々と続けたりして、モチベーションを下げる人たちです。“小ジジイ”にならないようにするには、どうしたらいいのでしょうか?
- なぜオジサンは「孤独」の犠牲者になりやすいのか
会話をあまりしなくて、困ったときに頼れる人がいなくて、近所付き合いもしないオジサンがいる。こうした「孤独」な状況になぜ追い込まれたのか。『世界一孤独な日本のオジサン』の著者、岡本純子さんに話を聞いた。
- 「定期的な異動が生産性を落としている」説は本当か
新年度がスタートした。新たな部署に配属されて、「うまくやっていけるかな」と不安を感じている人も多いのでは。4月に「定期人事異動」を導入しいている企業は多いが、このシステムは本当に効率的なのか。ひょっとしたら生産性を落としているかもしれない。
- ジャニーズと日ハムに学ぶ、人材輩出企業の正しい在り方
優秀な人材を世に輩出する、いわゆる「人材輩出企業」ってどこ? このように聞かれると、リクルート、マッキンゼー、P&Gなどを挙げる人が多いのでは。筆者の常見陽平氏はジャニーズ事務所と北海道日本ハムファイターズを挙げる。なぜかというと……。
- 教師の“ブラック労働”が横行 その根源「給特法」の実態とは
学校法人は「ブラック」な労働環境に陥りがちだ。特に公立校では、「給特法」により、何時間残業しても残業代が支払われない状況が続いている。4月に学校法人「関西大学」のケースが明るみに出たように、私立校でも労務管理があいまいなケースが多く、労働基準監督の指導が相次いでいる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.