残業削減のためにまた会議? トップの意味不明な指示を生む“罠”河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(4/5 ページ)

» 2018年04月27日 07時00分 公開
[河合薫ITmedia]

変化を望まず、スローガンを掲げて終わり

 このコラムでは職場にはびこる“ジジイ”をテーマにしていますが、そもそも“ジジイ”とは、「変化を嫌い、自分の保身だけを考え、『会社のため』『キミのため』と言いながら、 『自分のため』に手に入れた既得権益にしがみつく人々」のこと。

 残念ながら、彼らはホントに「働き方を変えたい」とか、「職場を変えたい」なんてことはみじんも考えていません。

 そのため、現場の苦労とか、現場の問題に向き合うつもりもない。彼らの言動のトリガーは、常に「保身」です。

 つまり、「新しいことをやろう!」と立ち上がったときの行動は、全て「スローガン」。「女性活躍」というスローガンを掲げ、「わが国では女性が輝く社会を目指します!」とした政府とまったく同じです。

 スローガンを掲げた時点で、ジ・エンド。その先何が起ころうと、関係ありません。

 米国の大人気漫画『ディルバート(Dilbert)』の作者であるスコット・アダムスは、「企業は損失を最小限にするために、最も無能な従業員を管理職に昇進させる傾向がある」という“ディルバートの法則”を提唱しました。

 「組織の生産性に直接的に関係しているのは下層部で働く人たちで、上層部にいる人たちは生産性にほとんど寄与していない。無能な人ほど上司に気に入られ、生産性とは関連の薄い上層部に昇進するため、ばかな上司に部下たちは苦悩する」(アダムス)

photo 職場にはびこる“ジジイ”たちは変化を望まず、現場の問題に向き合うことはない

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.