(2)時代とともに変化する多様性
ディズニーと、ドラえもんを比較したとき、最も大きな差は、時代の変化への対応力であろう。
ディズニーは1928年に公開された『蒸気船ウィリー』のように冒険路線で始まった。続いて創世記の『白雪姫』や『眠れる森の美女』といった「寝ているだけで王子様がやってきてキスされて解決」といった男性中心のクラシック時代を迎えた。
ディズニーは、マイケル・アイズナー時代(1984年〜2005年にCEOを務めた)の黄金期が過ぎたころから、女性権利拡大の流れに合わせて90年代中期『ポカホンタス』のころには女性が主体的に強さを発揮するようになった。
そして2005年のロバート・A・アイガーCEO登板の翌年にはピクサーを買収し、『塔の上のラプンツェル』や『アナと雪の女王』に代表されるよう、男勝りの女性主人公が力強く人生を切り開くように変化した。
当初は子どもを対象にした物語だったが、今では大人が見ても楽しく教訓を得られる、優れたオトナのエンターテインメントを提供するようになったのである。
ちなみに一昔前のディズニー映画には喫煙シーンもざらに登場した。実際に私が確認した『不思議の国のアリス』でもセイウチが海の中なのにもかかわらず煙草をくゆらせているし、『ピーター・パン』に至っては、子どもたちまでがスパスパやっているのだ。これに対して、近年のディズニー映画では主人公はもちろんのこと、サブキャラも登場人物すべても完全に禁煙させられているわけだ。
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