関係者によると、中国で第2位のビットコインマイニング用ハードウェアメーカーであるCanaan Creativeが米国ではなく香港での新規株式公開(IPO)に向け動き出しており、IPOに向け10億ドルの調達を目指しているようだ。South China Morning Postが5月9日に報じた。
もしIPOが成功すれば、中国の「A株」市場で上場する初めてのブロックチェーン関連企業になるという。
同社は2013年に創業。ビットコインマイナーのAvalonシリーズに搭載されている高性能集積回路の設計や販売を手がけている。今年1月に、17年度の年間純利益が6400万ドル(前年度比600%増)に達したという未監査の財務データを発表した。
同社は過去に何回か上場を試みた経験を持つ。
16年に山東省に拠点を置く電子部品メーカーのLuyitongを買収することで、中国のA株市場でIPOを試みたものの、規制当局がこの取引の評価に対し疑問を呈したため失敗に終わった。
中国政府が仮想通貨取引とICO(Initial Coin Offering、仮想通貨の新規公開)に規制を課している最中、昨年も厳しい上場条件が比較的少ないスタートアップを対象とした市場に上場しようとしたが、それも叶わなかった。上場できなかった理由は明らかにされていない。
中国は電気代が安価であることなどからマイニング市場を独占しており、同社の顧客の多くも中国企業になる。だが中国規制当局による仮想通貨に対する取り締まりは強化されつつあり、同社が成長ペースを維持できるのか疑問の声も上がっている。
「チップの製造だけではなく、今後はソフトウェア事業も展開するだろう」と、共同会長のコン・ジエンピン氏は4月の電話インタビューで語っていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング