土肥: 平成エンタープライズは1992年に創業して、当時は訪日外国人を扱う観光バス事業からスタートしているんですよね。その後、2007年に「VIPライナー」のブランド名で高速バス事業に参入しました。
日本で高速バスを利用している人はどのくらいいるのか。気になって調べたところ、年間1億1000万人ほどいるそうで。ここ数年は横ばいが続いているので、平成エンタープライズの業績も伸び悩んでいるのかなあと思いきや、伸びている。その要因は“指名買い”されているからそうで。
高速バスに乗る際、「どの会社のバスに乗ろうかなあ」と考える人は少ないですよね。アンケート結果を見ても、「価格」を重視している人が多いのに、なぜ利用者は「平成エンタープライズのバスに乗りたい」と思うのでしょうか?
田倉: 答えを申し上げます。「お客さんが当社のサイトで申し込んでいるから」なんですよね。
土肥: ちょ、ちょっと待ってください。ワタシも高速バスを利用したことがありまして、チケットはネット上で申し込みました。いまの時代、窓口で購入するよりもネットで申し込む人のほうが多いかもしれませんが、だからといって指名買いが多い理由は「お客さんが当社のサイトで申し込んでいるから」って、ちんぷんかんぷんです。
田倉: 高速バスのチケットを購入する際、「どこが安いかな?」と比較サイトなどを見るケースが多いと思うのですが、なぜ当社のサイトでわざわざ買う人がいるのか。その理由を説明しますね。
2009年、当社は女性専用車を導入しました。鉄道ではすでに朝夕の通勤時間帯に女性専用車両を設けるのは当たり前になっていましたが、高速バスで導入しているところはなかったんですよね。
バスは3列独立シートを採用していたのですが、女性からは「男性の目が気になって眠れない」「オジサンの臭いが気になる」といった声がたくさんありました。カーテンを付けてみたものの、「男性と同じ空間にいるだけで安心できない」といった意見がありました。であればいっそのこと、女性専用車を走らせてみてはどうかと考えました。
ただ、3列独立シートのバスはコストが高くつくので、社内から「本当に採算がとれるのか?」といった疑問の声がありました。当時、高速バス利用者の60%は女性と言われていたのですが、3列独立シートのバスでは30%ほど。その30%が女性専用車に乗ってもらえれば、損益分岐点を超える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング