TYPE I、TYPE II、TYPE III、TYPE IVと言えば、なーんだ。
このように聞かれて、若い人は「なんだそれ?」とちんぷんかんぷんだろうが、40代以上は「カセットテープの種類でしょ。懐かしいなあ」と青春時代を思い出す人も多いのでは。
ちゃんとした機材で録音すれば、音質の違いはハッキリと出る。しかし小学生や中学生に、その違いを聞き分けるのは至難のワザ。高価なTYPE IVの「メタルテープ」に録音して、「やっぱり、いい音をしているなあ」と悦に入っていた人もいるだろう(記者も購入したが、もったいなかったので、未使用のままどこかに消えた)。
カセットテープは1970年代から80年代にかけて音楽用の記録メディアとして人気を集めたが、ご存じの通り、その後は衰退していく。90年代に入ってCDやMDが台頭し、2001年にiPodが登場したことで、カセットテープやデッキの生産を打ち切るメーカーが相次いだ。
日本レコード協会の調査によると、オーディオレコードのカセットテープ市場はここ10年で10分の1ほどに。マイナビが4年前に行った調査では、カセットデッキやラジカセを所有している人は1割ほどである。
「レコードやテープはオワコン。いまはスマホで音楽データを楽しむ時代でしょ」と言われているなかで、カセットデッキをつくり続けている会社がある。「TEAC(ティアック)」だ。3月末にダブルカセットデッキ「W-1200」(店頭価格:5万円前後)を発売したところ、「2018年にもなってカセットデッキの新商品が出るなんて」「カセットテープの魅力を改めて堪能できる」といった驚きのコメントが目立った。
かつて子ども部屋にオーディオセットをどーんと構えている光景は珍しくなかったが、いまは違う。CDプレーヤーすら持っていない人が増えているなかで、なぜティアックはカセットデッキをつくり続けるのか。同社で企画・販促を担当している加藤丈和さんと、企画部の長内傑さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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