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セクハラ問題、日本で#MeTooは広がるか 識者はこうみる野田聖子氏らインタビュー(1/3 ページ)

» 2018年05月25日 06時00分 公開
[ロイター]
photo 5月24日、財務省の事務次官が女性記者に対するセクハラ問題で辞任したことをきっかけに、米国で始まった、被害を告発する#MeToo運動に、日本でも関心が高まっている。写真は都内で4月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[東京 24日 ロイター] - 財務省の事務次官が女性記者に対するセクハラ問題で辞任したことをきっかけに、米国で始まった、被害を告発する#MeToo運動に、日本でも関心が高まっている。

日本で初めて職場のセクシャルハラスメントをめぐる裁判が提訴され、「セクハラ」という言葉が流行語大賞となった1989年から30年近くが経過。男女雇用機会均等法の中に事業主がセクハラに対処することが義務付けられたり、メディアの世界で女性記者の数が増えるなど、制度・現象面では変化もみられる。

だが、旧態依然とした意識が、とりわけ男性の側に残っていることが、今回の財務省スキャンダルで明らかになったとの声が多い。

男女平等を示す指数のランキング(世界経済フォーラム、2017年)で、日本は対象144カ国中114位。しかも毎年順位を落としている。社会の中で女性の地位がもっと向上しない限り、セクハラ根絶は難しいとの見方も強い。

今、社会は、女性は、変わろうとしているのか。#MeToo運動は今後日本でも広がりを見せるのか。ロイターは、政治家やニュースキャスター、研究者など6人の女性にインタビューし、それぞれの見解を聞いた。

◎安藤優子氏 ジャーナリスト、1991年に湾岸戦争を取材

「私がこの世界に入ったのは21歳、大学生だった。生まれて初めて政治家のところに取材に行けと言われた。理由は『政治家はお姉ちゃんが好きだから』。最初、政治家は相手にしてくれないが、そのうち、気安く話しかけてきたり、ボディタッチされたりというのは日常茶飯事」

「女性の意識はすごく変わってきている、変わろうとしている最中だと思う。みんな我慢してきたのだと思う。自分がカミングアウトすると、自分に対し誹謗中傷がくるから」

「これから日本で今まで記憶を閉じ込めていた人たちが、今回のことをきっかけに名乗り出てくる可能性はかなりあると思う。だって記憶は絶対消えないから」

「安倍政権の『女性が輝く社会』というのは、ジェンダーの視点はゼロ。あれは経済政策。意識を変えようとして導入しているのではなく、いかに女性に労働力として社会に戻って来てもらうかという政策。(この政策では)女性が頑張ってくれれば、(男女)平等にならなくてもいい」

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