◎野田聖子氏 総務相兼男女共同参画担当相、衆院議員
「セクシャルハラスメントについて、軽く考え過ぎている、特に男性は。これが命取りになることをしっかり学んで欲しい。セクハラは、この程度はやむを得ない、という女性の諦めと、これぐらいはいいんだ、という男性のおごりのなかで、ずっとスルーされてきたと思う。もうそれでは許されない時代だということが、明らかになってきた」
「法律で必要なのは、被害者の保護と救済。あいまいになってはいけないので、法律の手当てがいると思う。(日本は)成熟した国家として、今まで見過ごしていたシリアスな問題だけど、男性が地域や職場において軽く見ていたことを深く反省しようという、何かアピールをしなければいけない」
「選挙に落選中、夜の酒席で1票欲しければ胸を触らせろとか、そんなの日常的だった。これ(セクハラ対策)は、自分にとってもクリアしなければならない問題だと思っている。やられたことのない人に片づけられる問題ではない」
◎上野千鶴子氏 社会学者、認定NPO法人ウイメンズアクションネットワーク理事長
「セクハラは権力の濫用(らんよう)なので、管理職以上の地位にいる人がハイリスクグループであることが明らかになってきた。『まさかあの人が』とは言えない」
「職場における男女の権力の非対称性が解決しないと、セクハラの温床はなくならない。私たちがセクハラ事案にいちいち対応してきたのは、一種のモグラたたき。問題の温床がなくならない限り、まだいろいろなところで出てくるでしょう」
「ただ、今、社会的な空気がセクハラを許容しないという方向に変わってきたのは非常にいいこと。セクハラ訴訟件数が増えたし、勝訴率が上がっている。賠償金額が高額になってきた。そういうことから周りが学習していった。セクハラをすると損だと」
「ここまで、世論が許さないという雰囲気になってきたのは、私たちが積み重ねてきた努力の成果。それはもう隔世の感がある」
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