ヨドバシでは、商品知識に特に秀でた「達人」社員がいる。ロボット掃除機に詳しい社員は「ロボット掃除機」と大きく書かれたタスキをつけて接客している。達人はより高度な知識を持つお客の対応をしたり、他店舗の社員に対する教育をしたりしている。
特にカメラや時計といった専門性の高い分野の達人を育成するには「10〜15年はかかる」(日野専務)。長い時間をかけて商品知識を蓄えた社員の存在は、高い顧客満足にもつながる。例えば、10年前に購入したエアコンのリモコンを交換したいと考えたお客が来店したとしよう。その分野に精通した社員ならばお客の相談を受けた瞬間に「あ、この商品なら●●のリモコンが使えます。すぐ持ってきますよ」と対応できる。その経験が、「この店なら信用できる」という安心感を生み、リピーターの獲得につながっている。
商品知識が豊富な社員の称号として「コンシェルジェ」がある。ヨドバシには「ヨドバシカメラコンシェルジェ」というサービスがあり、お客のニーズに合わせて、フロアをまたいだ商品購入の相談や購入後のアフターサービスなどをワンストップで行う。コンシェルジェになるには幅広い知識が必要で、社員が目指すべきモデルになっている。
ヨドバシカメラマルチメディアAkibaの家電コーナーでコンシェルジェを務める高澤浩二氏は勤続10年のベテランだ。エアコンや冷蔵庫などの家電製品を一通り担当した経験があり、豊富な知識をもとに接客をしている。高澤氏によると、コンシェルジェのサービスに満足したお客が、自分の親族や職場の同僚を紹介するケースもあるという。
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