そんな、刺激的な日常、「就活」という言葉がどうにも馴染まないエストニアで、齋藤さんは自身の就活・キャリア観を覆す同世代の人たちにたくさん出会ったと言います。 中でも、特に印象的だったのは、自分で会社を経営するエストニア人の男性。しかも、彼は10代の「高校生」。
齋藤さんが彼と知り合ったのは、エストニアの有名スタートアップのオフィスツアーでのこと。堂々とした立ち振る舞い、ネイティブレベルの英会話にすでに感心していると、その自己紹介で彼が高校生であることが発覚。
「まさか、高校生だとは。しかもその日は高校の授業があったそうなんです。ですが、自分に必要なインプットとネットワーキングを求めて、このオフィスツアーのために高校を休んで参加。自分が今、何をすべきかを考えて決断し、行動する姿勢は、勉強ができる・できないなんかより、素晴らしいと思いました」
彼のほかにも、すでに経済学の学士を取得しながらも、自分の将来のために、タリン工科大学に入学し、現在はコンピュータサイエンスを「学び直し」ている20代前半のエストニア人女性。シンガポールで自身の会社を経営しながら、4カ月間だけエストニアに滞在し、同国最大のスタートアップの祭典「Latitude59」のマーケティング・コミュニティマネジャーとして働く、20代半ばのシンガポール人女性など。
エストニアで暮らすすべて若い人たちが、彼ら、彼女らのようというわけでは、もちろんありません。それでも、就活のような既存のシステムには乗らず、自分で決めた軸が1本通ったような生き方をする同世代の存在は、齋藤さんにとって新鮮でした。「今になって振り返れば、就活に違和感を抱いていた私を肯定してくれる存在のようにも思えます」とも。
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