では、どう意識をかえるべきかというと、我々日本人が物心ついたころから刷り込まれている「子どもは親のモノ」という考えを根本から破壊するのだ。
「はあ? オレはそんなこと1ミリも思ったことはないぞ!」と顔を真っ赤にして怒り狂う親御さんも多いと思うが、これまで日本社会が「子ども」に対してどんな仕打ちをしてきたかを振り返れば、我々に「子どもを親の所有物としてとらえる国民性」があるのは明白だ。
それを最もよく象徴するのが、「親子心中」だ。
親が後に残された我が子を不憫(ふびん)に思って道連れに――みたいな痛ましい事件が周期的に発生するので、日本人の多くはこれを現代社会特有の悲劇みたいに受け取っているが、そんなことはなく、正確には「日本人特有の病」のひとつだ。
もちろん、親子心中はあらゆる国、あらゆる文化で確認される。例えば米国では、よく錯乱した父親が家族全員を銃で撃ち殺して、最後に自分も銃口をくわえる、という悲惨なケースも珍しくない。
だが、日本が特殊なのはその扱いだ。
多くの国では、血がつながっていても自分と異なる他者の命を奪う犯罪行為であり、そこにどういう事情があろうとも美化や正当化されない。それに対して日本では、「罪」の意識が希薄で、周囲からも「そこまで追いつめられた親も辛かったんだろうね」なんて同情の声も出てくる。
そのあたりの特殊性は、今から30年以上前に米国で起きた「心中論争」が分かりやすい。
- 「一蘭」にハマった外国人観光客は、なぜオーダー用紙を持って帰るのか
ラーメン店「一蘭」といえば、食事をするスペースが仕切られている味集中カウンターが有名である。珍しい光景なので、外国人観光客も写真を撮影しているのでは? と思っていたら、店員さんに「オーダー用紙を持ち帰りたい」という声が多いとか。なぜ、そんな行動をしているのかというと……。
- 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。
- なぜ日本のおじさんは怒ると「責任者を呼べ!」と騒ぐのか
街中を歩いていて、おじさんが「責任者を出せ!」と騒いでいるのを聞いたことはないだろうか。例えば、駅員に大声を出したり、コンビニの店員を叱ったり、とにかく日本のおじさんはよく怒っている。なぜおじさんは「責任者を呼べ!」と叫ぶのか、その背景を調べてみると……。
- なぜレオパレス21の問題は、旧陸軍の戦車とそっくりなのか
レオパレス21が「界壁」問題で揺れている。界壁とは、部屋と部屋の間を仕切るモノだが、同社の物件には屋根まで達成していないモノが複数存在していることが分かった。この問題に対し、筆者の窪田氏は「日本型組織のスタンダート、というか伝統だ」と指摘する。どういう意味かというと……。
- 大東建託が「ブラック企業」と呼ばれそうな、これだけの理由
電通、NHK、ヤマト運輸など「ブラック企業」のそしりを受ける大企業が後を絶たないが、ここにきて誰もが名を知る有名企業がその一群に加わるかもしれない。賃貸住宅最大手の「大東建託」だ。なぜこの会社がブラック企業の仲間入りするかもしれないかというと……。
- 「551蓬莱の豚まん」が新幹線で食べられなくなる日
新大阪駅で「551蓬莱の豚まん」を買ったことがある人も多いのでは。新幹線の車内でビールと豚まんを食した人もいるだろうが、こうした行為が禁止されるかもしれない。どういうことかというと……。
- 日本人が「通勤地獄」から抜け出せない、歴史的な背景
暑くなってきたので「満員電車」が辛くなってきた。「働き方改革を実現しよー」「時差出勤をしよー」と叫ばれているのに、なぜ“通勤地獄”は解消されないのか。その歴史をひも解いてみると、意外な事実が……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.