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ANAで年21万回も「グッドジョブ!」が交わされる理由3年で5倍に(3/4 ページ)

» 2018年07月04日 07時30分 公開
[加納由希絵ITmedia]

本社にも褒める習慣が浸透

 Webをきっかけにカードの使用が増えたのは、空港の現場だけではない。本社部門の従業員にとっては、Webの導入によって「Good Jobカードが使いやすくなった」という。

 Webの導入前、接客などのサービスを行う現場では、その場で感謝を伝えるカードの浸透は早かった。一方、事務職が多い本社などでは、定着するのに時間がかかっていた。そういった部署は年齢層も比較的高く、「実は、『子どもっぽい』という声もあった」(椿さん)。

 そのような人たちにWeb版がなじんだ理由は、シフト勤務でなかなか会えない人や、離れた部署の人にもメッセージを送ることできるようになったからだ。電話やメールで他の拠点とやりとりする業務が多いことから、職場内だけでカードを贈り合う機会は限られていた。他の拠点の人とやりとりをした後に、あらためてお礼を伝えるのは恥ずかしいし、時がたてば忘れてしまう。Webでメッセージを送るだけなら手軽で、メッセージの履歴を見れば、さまざまな立場の人とのつながりを感じることもできる。

 「以前はGood Jobカードの必要性を伝えたい、理解してもらいたいと取り組んでいましたが、今はもうその必要はなくなりました」(椿さん)

 高野さんは、「Webで送られるメッセージは、全体の7割にまで増えました」と話す。紙のカードも減ったわけではなく、枚数は変わっていないという。これまで形にできなかった感謝や称賛を示せるようになったことで、メッセージを贈る習慣が広がったようだ。

photo 全日本空輸人事部 ANA's Way推進チームの高野弘樹さん(右)、導入当初に担当だったANAホールディングス広報・コーポレートブランド推進部の椿里砂さん

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