また、欧米と日本でストローの処理方法が異なることも、国内でプラ製ストローがなくならない要因だという。
欧米ではストローを処理する際に埋め立てる国が多いが、日本では焼却炉の整備が進んでおり、大半が焼却処理される。そのため、海辺に大量に埋められて海洋汚染につながるケースは比較的少ないという。
ただ、「日本はプラ製ストローをリサイクルする体制も整っているが、分別廃棄が進んでおらず、燃えるごみとして処理されるケースが多い。これこそが環境保全における課題だ」と警鐘を鳴らす。
「飲食店が分別せず、残飯などの燃えるごみに混ぜてプラ製ストローを廃棄していることがその原因。ストローをプラ製から紙製に切り替えるコストよりも、ごみの分別に要する人件費などの方が安いはず。飲食店は分別を推進してほしい。焼やされるストローを減らすことこそが、二酸化炭素の排出量削減などにつながる」
シバセ工業の指摘通り、紙製ストローの利用時にさまざまな問題が起きれば、飲食事業者のイメージダウンは避けられない。導入を検討する企業は、こうしたリスクを知っておく必要がありそうだ。
また同社が本当の課題だとみている、ごみの分別とリサイクルが飲食事業者の間で進んでいないことも事実だ。
国内の飲食事業者は今後、どんな対応を取るのだろうか。海外の流れに乗るのか、リサイクルに注力するのか、大きな変化はないのか――。今後の展開が注目される。
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