お店のミライ

生ビールが飲める“居酒屋コンビニ”発見! これがセブンの目指す道?実際にお店で飲んでみた(2/3 ページ)

» 2018年07月19日 11時59分 公開
[昆清徳ITmedia]

レモンサワーとハイボールを飲んでみた

 生ビールを飲み終わった記者は、続いて「アサヒ樽ハイ倶楽部レモン」(290円)と「ブラックニッカ樽詰めハイボール」(350円)を注文してみた。店員がカップに氷を詰めてから、レジの後ろにあるサーバーからお酒を注ぐ方式だ。いずれも、ビールと同じ容量の透明なプラスチックカップに入っており、四角い氷が7〜8個入っているが、居酒屋で提供される同価格のチューハイより飲みごたえがあるように感じた。容積に占める氷の量が少ないからだろう。

 午後6時をまわると、缶ビールや生ビールを購入した仕事帰りの男性会社員が次々とイートインコーナーを訪れた。生ビールを片手にスマホを操作し、10分弱で去っていく。食事をするお客もスマホを見ながらおにぎりやサンドイッチを口に放り込み、10分弱で同様に立ち去る。全体的にややせわしない雰囲気だ。

生ビール提供を始めた理由

 ニューデイズはなぜ生ビールを提供するようになったのだろうか。

 15年の夏、大宮駅と品川駅にある2店舗で生ビールの試験販売を行ったところ、大変好評だったため、16年から約50店舗で本格的に展開することになった。その狙いについてJR東日本リテールネットの広報担当者は「もともと、特急電車の待ち時間に駅ナカの売店でお客さまがお酒を購入するのはよくあることでした。1杯目のお酒をよりおいしく飲んでいただきたいとの思いから、サービスを開始しました」と説明する。

 生ビールの提供時期はバラバラで、1年中販売している店舗もあれば、2カ月だけ販売している店舗もあるという。ニューデイズは18年6月末時点で483店舗あるが、「18年も約50店舗で提供する予定です」(広報担当者)という。

 生ビールを提供している店舗ではおつまみだけでなく、缶に入ったアルコール飲料の売り上げも伸びている。同社は列車に乗る前に生ビールを飲んで、2杯目以降を列車の中で飲んでいるのではないかと分析している。

 店舗で生ビールを提供する狙いは他にもある。もともと、ニューデイズは朝の時間帯に来店するお客が特に多かった。夕方や夜の時間帯に来店者数を増やすためには、生ビールは強力な武器になると判断したわけだ。実際、池袋西口店では夕食と思われる商品を購入したお客が生ビールだけを短時間で飲み干している姿を何度か見た。帰宅する前にアルコールで一息つきたいというお客の需要を掘り起こしているようだった。

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