東海道新幹線に盾とさすまた配備 防犯体制を強化喫煙ルームを改修して格納

» 2018年07月25日 19時11分 公開
[ITmedia]

 JR東海は7月25日、8月から東海道新幹線内に、防護盾、さすまた(刺又)、耐刃手袋などの防護装備を配備し、止血パッドなどの医療用品を新たに搭載すると発表した。主に乗務員と警備員、医療関係者用で、一部車両の喫煙ルームを改修して格納し、防犯などに活用する。

 6月に発生した、東海道新幹線内で乗客の男女3人が刃物で襲われて死傷した事件を踏まえた。防護装備の配備は年内にも完了する予定。

photo 「N700系」に盾とさすまたが配備される(=公式Webサイトより)

 乗務員用には、防護盾、対刃手袋、耐刃ベストを、警備員用には防護盾とさすまたを用意する。さすまたはU字型の金具に柄を付けた防犯対策用品で、金具の部分で不審者を壁や床に押し付け、取り押さえるなどの用途がある。

 また、従来は女性の乗務員・パーサーのみに配布していた防犯スプレーを男性にも配布し、防犯体制を強化する。

 けが人が発生した際の医療体制を整えるため、従来の手動血圧計などに加え、三角巾、止血パッド、ゴム手袋、油紙といった医療用品も追加する。搭載する箇所は、1編成につき1カ所から3カ所に増やす。

photo 配備する医療用品(=プレスリリースより)

 これらの防護装備・医療用品を格納するため、「のぞみ」などに使用されている「N700系」の3号車・15号車に2カ所ずつ設置している喫煙ルームのうち1カ所ずつを改修し、格納庫として活用する。

 医療用品の拡充と車両の改修も、8月から順次開始し、年内に完了する予定。

photo 改修する喫煙ルームの場所(=プレスリリースより)

 防犯対策における連携を強化するため、一連の施策に先駆け、7月23日から乗務員・パーサー・司令員が同時に通話できるシステムを業務用スマートフォンに導入した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.