楽天とぐるなびが資本・業務提携 ポイント・送客・データ活用などで連携ぐるなびの業績改善なるか

» 2018年07月30日 16時07分 公開
[ITmedia]

 楽天は7月30日、飲食店検索・予約サイト運営のぐるなびと資本・業務提携を締結したと発表した。楽天はぐるなびに約40億5500万円を出資して発行済み株式の9.6%を取得し、第2位株主となる。今後はサイト上の広告枠の販売、決済、データ活用などで協力していく。

photo 飲食店検索・予約サイト「ぐるなび」

 両社は2018年3月、ぐるなびのポイントサービス「ぐるなびポイント」を楽天の「楽天ポイント」に変換できるサービスを開始。5月には、楽天のグルメ情報サイト「Rakoo(ラク―)」の新規加盟店開拓にぐるなびが協力することで合意している。今回はこれらにとどまらず、より多様なサービス開発・販売促進を進めるために資本・業務提携に踏み切ったとしている。

photo 提携の経緯と今後の展望(=IR資料より)

より多様なサービスで連携

 今後は「ぐるなびポイント」を「楽天ポイント」に段階的に統合するほか、「Rakoo」など楽天のサービスのユーザーにぐるなび経由でのネット予約を促進する。両サイト上に表示する広告枠も共同で販売していく。

 ぐるなびは、楽天のキャッシュレス決済サービス「楽天ペイ」やクレジットカード「楽天カード」で決済できる店舗をPRし、認知度向上に協力する。

 相互の顧客・加盟店への販売促進も行う。両社のブランドや保有するデータを活用し、多様な飲食店の課題を解決するサービスなども開発していくという。

近年は苦戦のぐるなび、楽天との提携で立て直しなるか

 16年3月末時点でぐるなびは約50万店の加盟店を抱える。うち5万6967店は有料加盟店で、顧客獲得・人材獲得・メニュー開発などのコンサルティングを提供している。

photo ぐるなびの19年4〜6月期の連結業績(=IR資料より)

 だが、飲食店での人手不足や消費者行動の多様化により、近年は加盟店の獲得に苦戦。19年4〜6月期の連結業績は売上高が前年同期比6.6%減の82億900万円、営業利益が57.3%減の5億9800万円、純利益が58.1%減の4億円となっていた。

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