ありそうでなかった「段ボールを開けられるマッキー」 ゼブラが明かす開発の裏側時代に合ったマーカーに(1/2 ページ)

» 2018年08月03日 14時28分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 文具メーカーのゼブラは8月24日に、段ボールに貼られたガムテープを裂いて開けられる油性マーカー「マッキーワーク」(税込194円)を発売する。付属する凸型の部品をキャップに取り付け、ガムテープに押し当てたまま上下するとテープを裂くことができる点が特徴だ。

 子どもがいる家庭や、カッターの持ち込みが禁止されている製造現場などへの導入を想定。引っ越しや荷分けなどで、箱を開けた後すぐに中身の説明を書き込んだり、伝票の個人情報を塗りつぶしたり――といった用途があるとしている。

photo 「マッキーワーク」を使う様子

 同社が発売を告知した2日、ネット上では「すごい発想力」「イノベーションが起きた」「使ってみたい」と心待ちにする投稿が多く集まった。「段ボールを開けられるマーカー」というありそうでなかったこの商品は、どのような経緯で生まれたのだろうか。

2年前から開発 時代に合ったマーカーに変えたい

 ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、ゼブラは「ネット通販の普及に伴って、法人・個人を問わず、段ボールを開けて文字を書く機会が増えている現状を踏まえ、約2年前から開発を進めてきた」(広報室、以下同)と説明。

 「当社はこれまで、ペンやマーカーの製造・販売に特化してきたが、時代の移り変わりを踏まえて変わっていくべきだと感じていた。従来とは異なる発想の商品を探る中で、『パーツを組み合わせる』というアイデアが出た。『マッキー』は40年以上続くロングセラー商品だが、パーツを取り入れたことはなかった」という。

photo 「マッキーワーク」の構造

 パーツと組み合わせて使う商品が市場に受け入れられるかを確かめるため、ゼブラは今年1月、「マッキー」とゴム製のパーツをセットにした商品「ハイマッキー キャップジャケット」を発売。キャップにパーツを取り付けると、従来の3分の1の力で開けられる点が特徴で、「もっと簡単に開けたい」とのニーズを持つユーザーに訴求した。

 その結果、コンビニでの数量限定販売だったにもかかわらず、消費者から高い評価を獲得。「パーツを組み合わせても売れる」との手応えを得て、「マッキーワーク」の発売に踏み切った。

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