日本からマカオへの渡航者が今年も来年も増える理由のひとつに、「港珠澳大橋(こうじゅおうおおはし)」(以下、大橋)の開通が見込まれていることだ。マカオに行く場合、香港経由でフェリーを使うのが一般的である。しかしフェリーで行くとなると、アクセスがあまりよくない。香港国際空港でのフェリー乗り継ぎに2時間ほどかかり、そこからフェリーでさらに1時間ほどかかる。
フェリーの待ち時間や渋滞などを考えると、移動だけで3〜4時間はかかる。しかし、この大橋が開通すると、空港からクルマで30分ほどでマカオに到着することができるのだ。時間だけではなく、財布にも優しくなる。フェリーの運賃は往復8000円ほどだが、大橋を走行するシャトルバスを利用すると同2400円ほどになる予定だ。香港往復の航空チケット(9月)を見ると、3万円代で購入できるのに、「ちょっとマカオに行ってみようかな」と思っても、フェリー代に8000円もかかってしまうのだ。
「日本からマカオに行っているのは33万人ほど、マカオから日本に来るのは12万人ほど。年間45万人が移動しているのにもかかわらず、日本―マカオの飛行機の座席は5万席ほどしかない。直行便を利用しているのは45万人のうち5万人ほどしかいないことになる。現状、多くの人は香港に行って、そこからマカオに行っている。大橋が開通するとアクセスがよくなるので、渡航者は増えるだろう」とマカオ政府観光局の榊原史博代表は予測する。
大橋開通によってマカオに特需がもたらされそうだが、喜ぶのはまだ早い。日本からの渡航者数は「今秋、大橋の開通」を見込んでいるので、開通が来年以降にズレ込めば、18年の35万人、19年の42万人は修正が必要になるだろう。
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