『おもてなし幻想』で紹介されている研究結果によれば、顧客サービスはそこそこでよく、顧客の努力の軽減、すなわち顧客に手間をかけさせないことが最も重要だということだ。
顧客満足度と顧客ロイヤルティーには、明確な相関は見られない。つまり「期待を上回るサービスが顧客ロイヤルティーに直結する」という考えが単なる思い込みであったといえる。
一方で著者は、これまであまり焦点が当たらなかった「顧客努力」という指標に注目している。例えば、努力がそれほどいらない経験(低努力)をした顧客の94%がその企業から再び購入すると答えているのに対し、多大な努力を要する経験(高努力)をした顧客の場合、再購入すると答えたのはわずか4%という結果である。
また努力がそれほどいらない経験をした顧客の88%がその企業からの購入を増やすだろうと答えているのに対し、多大な努力を要する経験をした顧客では4%だけである。一方、企業について否定的な口コミを広げたと回答したのは、努力がそれほどいらない経験をした顧客の場合は1%だが、多大な努力を要する経験をした顧客ではなんと81%もいる。従って著者は、顧客努力を指標化し、それを軽減する努力をすることで、顧客ロイヤルティーは高められる、と言っているのである。
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