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ナレッジワーカーの生産性はなぜ上がらないのか頼りになる人(2/4 ページ)

» 2018年09月17日 08時00分 公開
[猪口真INSIGHT NOW!]
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 企業の中にはこうしたさまざまなKPIが存在しており、売り上げや利益と同じように、KPIも昨対いくつというように設定されるため、マネージャーも本人も、それを信じて仕事をしていくことになる。

 また、目標はチームで設定されることも多く、チーム目標の達成に向けて、ナレッジワーカー同士で協力し合い、より高度な目標に向かうこともある。

 しかし、残念なことに、こうした仕事の測定は、いくらやったところでマネジメントの域を出ることはない。あくまで管理が目的であって、生産性の向上や新たな付加価値の創出には向かっていない。

何かを変えたい、しかし

 何かを変えたい、今の沈滞ムードを払拭(ふっしょく)したい、と願う経営者やマネージャーは多いはずだ。同じことを繰り返していたら「より良い成果」は望めないし、新たなことにチャレンジしなければ未来がないことは、少しでもビジネスに携わった人ならば、すぐに気がつくことだ。

 しかし、実際のビジネスにおいては、まったくそのようにはなっていない。新しい企画が起案され新規プロジェクトとして立ち上がることはまれで、よしんば立ち上がったとしても、そのプロジェクトが予定通りに実行され、成果を上げることはほとんどないのが実情だろう。

 新たな戦略やプロジェクトを完遂させるには、想像をはるかに超えた力が必要になるからだ。この「新たな」というのが、実は曲者で、組織には「新たな」何かを妨害しようとするマインドや古くからの習わしや規制といった魑魅魍魎(ちみもうりょう)がうじゃうじゃしている。皮肉なことに、画期的でこれまでになかったようなアイデアほど、阻止しようと動く力は強力になる傾向がある。

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