人ごとではない! 国民健康保険や介護保険の「過払い金」って何?マネーの達人(4/4 ページ)

» 2018年09月18日 11時55分 公開
[木村公司マネーの達人]
マネーの達人
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住所変更した後の介護保険の保険料は、変わるまでに時間がかかる

 老齢(退職)年金、障害年金、遺族年金を受給している65歳以上の方のうち、年間の支給額が18万円以上の方については、年金から介護保険の保険料が天引きされます。その介護保険は市町村単位で運営され、また保険料も市町村ごとに違います。

 例えば、6月にA市からB市に引っ越した場合、6月からは従来と金額が違う、B市の介護保険の保険料を納付します。

 しかし、転出届を出してから天引きが中止されるまでに数カ月がかかるため、6月分の年金からも、A市の介護保険の保険料が天引きされてしまいます。

 それに加えて、引越し先のB市から、6月以降の介護保険の保険料の納付書が送付される場合があるのです。

 こういったケースでは、6月分の年金から天引きされたA市の介護保険の保険料のうち、過払い金になった分については、返還を請求する必要があります。

 なお過払い金請求に必要な書類は、基本的に行政側が送ってくれるので、それを記入して送付すれば、手続きは完了します。

 また住所を変更してから、半年〜1年程度が経過すると、再び年金からの天引きに切り替わります。

時効の2年が経過すると、過払い金を取り戻せなくなる

 今回紹介したケース以外でも、行政側が過払い金が発生しているのを把握している場合には、返還請求のために必要な書類を送ってくれる場合が多いのです。

 しかし行政から届いた郵便物の中身をきちんと確認しない方がいるため、過払い金が放置された状態になっているのです。

 そして返還請求をしないまま、時効の2年が経過すると、過払い金を取り戻せなくなります。

 ですから、行政側から送られている郵便物は、きちんと中身を確認すべきであり、また何か分からない点があったら、問い合わせ先に連絡した方が良いのです。(木村公司)

著者プロフィール:

木村公司

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行う。

【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定II種


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