新潮社は9月21日、月刊誌「新潮45」10月号(9月18日発売)に掲載された企画「そんなにおかしいか 『杉田水脈』論文」が各方面から批判されたことを踏まえ、内容の一部に「認識不足に満ちた表現」があったことを認める旨の声明文を発表した。
問題とされた企画は、自民党の杉田水脈(みお)議員が同誌の8月号に「LGBTは生産性がない」と主張する記事を掲載し、問題視されたことに反論したものだった。
新潮社は佐藤隆信社長名義の声明文で、「弊社は出版に携わるものとして、言論の自由、表現の自由、意見の多様性、編集権の独立の重要性などを十分に認識し、尊重してまいりました」と前置きした上で、10月号の企画について「それらに鑑みても、あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられました」との見解を述べた。
同社は「差別やマイノリティの問題は文学でも大きなテーマです。文芸出版社である新潮社122年の歴史はそれらとともに育まれてきたといっても過言ではありません。弊社は今後とも、差別的な表現には十分に配慮する所存です」としている。
企画「そんなにおかしいか 『杉田水脈』論文」の内容には社内からも疑問の声が挙がっており、「新潮45」10月号の発売後、新潮社の文芸書編集部の公式アカウント「新潮社出版部文芸」がTwitter上で、読者や有識者による同誌への批判的な投稿を相次いでリツイートする事態に発展していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング