こういうトーンで書き進めると全面的な白鵬擁護のようにとらえられかねないが、そうではないことを念押ししておく。筆者は正直に言って大横綱には大変申し訳ないが、別に肩入れも応援もしていない。
では何が言いたいかというと、冒頭でもチラッと触れかけたように白鵬の筋書き通りの独走を許してしまっている他の力士たちが余りに情けなさ過ぎることだ。余り声を大にすることはできないにせよ「反白鵬」の立場を密かに貫き続けている日本相撲協会関係者は渋い表情を浮かべながら、こう指摘する。
「今の幕内力士たちは全員が白鵬の手のひらの上で転がされている。まともに勝負しても残念ながら白鵬に太刀打ちできない。金星を奪う力士がたまに出てきても、それはあくまでも“まぐれ”であって真の実力じゃない。白鵬に完勝できる次代の実力派がまるでいないのだ。だから他の力士たちは白鵬に飲み込まれ、完全にナメられてしまっている。
これだから今の相撲界は白鵬の思い描くままになっているのだ。自分のペースで相撲をとり、時々あえて調子を落としながら体のコンディションも保ち続けて加齢を苦にすることなく、今の地位に居座っているのが現状。白鵬を焦らせ、引退を決意させるような強い力士の誕生が望まれる。やはり日本人力士、日本人の強い横綱が誕生し、白鵬に完勝を果たす瞬間が訪れることを世の中の人たちも願っているのではないか」
個人的には横綱・稀勢の里に、その役割を期待したい。8場所連続休場で限界説が漂っていた中、秋場所で2けたの白星をあげて逆境から復調の兆しを見せた。確かな手ごたえをつかんだのか、秋巡業でもいい形で調子を上げている。
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