ボクシングの村田諒太は、“作られた世界王者”だったのか赤坂8丁目発 スポーツ246(5/5 ページ)

» 2018年10月25日 12時28分 公開
[臼北信行ITmedia]
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「都合のいいシナリオ」は捨てなければいけない

 五輪金メダリストから、世界王者になった村田はミドル級という日本人ボクサーにとっては活躍が非常に難しい階級において素晴らしい功績を十分過ぎるぐらいに残した。数多くの支援者たちによって何となく「作られたレール」の上を無理矢理に走らされてきた感は否めないが、もうそろそろ自分の意思で進路を決めてもいいのではないだろうか。

 この窮地から這(は)い上がってブラントに雪辱し、ミドル級の世界トップクラスたちと相まみえるチャンスが訪れれば大したものだが、そんな都合のいいシナリオの実現を望むのはやはりあまりにも酷だろう。

 もし村田の周辺に「何とかもうひと商売」とふらちな思いを描いている関係者がいたとしたら、彼の腫れ上がった顔をよく見つめ、危険な兆候を感じ取ってバカな考えを捨てていただきたい。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ、2018年平昌)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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