「君の名は。」がロングセールス 消費行動を喚起するコンテンツは?最も支出を生み出したのは3年連続「嵐」

» 2018年10月25日 16時34分 公開
[中澤彩奈ITmedia]

 博報堂DYパートナーズと博報堂による「コンテンツビジネスラボ」は10月25日、2018年版「コンテンツファン消費行動調査」の結果を発表した。コンテンツやアーティストが1年間に動員できる人数を表す指標「リーチ力」と、コンテンツ関連商品やサービスの年間売上規模の指標「支出喚起力」においてランキングを作成した。コンテンツの周辺情報や小ネタなどの付帯情報「Feed」をSNSなどで効果的に拡散できたコンテンツがランキング上位に目立つ結果になったという。

 「リーチ力」のランキングでは、2016年に公開され大ヒットした映画「君の名は。」(1507万人)が昨年に続き1位だった。テレビ放送やセル販売、コミカライズなどのFeedを発信することでロングセールスを実現できたとみられる。

photo 「2018年調査全体リーチ力・支出喚起力ランキング トップ20」(=プレスリリースより)

 2位は「名探偵コナン」(893万人)、3位は「ゴジラシリーズ」(808万人)、4位は「ONE PIECE」(715万人)、5位は「美女と野獣」(671万人)――と続いた。

 今年新たにランクインしたコンテンツとしては、18年9月に引退した「安室奈美恵」(660万人)が6位に入った。ツアーや出演に関する情報の露出が続いたことなどが影響した。その他には、実写映画化第2弾の制作ニュースや新キャスト情報などの発信が相次いだ「銀魂」(542万人)が15位となった。

photo 「リーチ力・支出喚起力マッピング」(=プレスリリースより)

 「支出喚起力」のランキングでは、アイドルグループ「嵐」(328億円)が3年連続1位にランクイン。次いで、2位に「アイドルマスターシリーズ」(276億円)、3位に「ラブライブ!」(273億円)、4位に「関ジャニ∞」(209億円)、5位に「刀剣乱舞」(150億円)――という結果だった。

 アイドルマスターシリーズに加え、7位の「Fateシリーズ」(139億円)、15位の「魔法少女まどか☆マギカ」(92億円)などは、テレビCMキャスティングや新ストーリー、キャラクター配信などで話題となったことが奏功した。

 調査は2月9〜26日にかけて、15〜69歳の男女を対象にインターネット上で実施。コンテンツファンの行動を「興味」「利用」「支出」「ファン」の4行動に分類し、「誰が」「何に」「いくら」支出しているのかを分析。4750件の有効回答を得た。

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