これまでの朝ドラでは、何かを目指して、または夫の夢を支えてその目的に到達するストーリーが多かったので、このドラマの主人公、鈴愛のように、仕事が何度も変わるヒロインも珍しいです。
まずマンガ家を目指していたので、てっきりマンガ家を目指して頑張るお話しなのだと思っていました。しかし、自身の才能に見切りを付けて、辞めた時点で、ほぼ前半が終了でした。実際、後半の話が始まった時は、別のドラマの様だ、という声も多かったです。
クランボルツの言うような「計画された偶発的な理論」で言えば、マンガ家になれたのも、どうしてもなりたくてなったというより、幼なじみの律がくれた少女マンガを読んだこと、その作者秋風に会えたこと、マンガ以上に祖父の五平餅が秋風に気に入られたことなどの「偶然」の先にあった印象です。
でも、鈴愛は転換期にはいつも自分の道を自分で決めていました。内定していた農協を断り秋風の塾に入ったことを始め、離婚後、実家に帰ったときも友人が用意した就職先に見向きもせず、社長になると宣言し、カフェをオープン。お一人様メーカーを始めて商品が売れなかった時も、五平餅の屋台を引いて売る、など。
結婚した時に、夫の涼次に、監督になる夢より生活の安定を訴えたことはあったのですが、結局、いわゆる安定からは遠い生活を自分で選んでいました。波乱万丈でも何とかなっていったのは、フィクションとはいえ、計画的な偶発性を感じました。
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