若者に人気のレモンサワーが“第2のハイボール”になりそうな3つの理由飲食店にもメリット(4/5 ページ)

» 2018年10月29日 06時00分 公開
[有木 真理ITmedia]

レモンサワーは定着フェーズへ

 今後もレモンサワーの需要は伸び、ブームは続いていくと予想される。このレモンサワーブームは、ハイボールがブームとなって料飲シーンに定着したことで、ウイスキー消費のV字回復をけん引した際の状況に非常に似ている。ハイボールは“おやじくさい”という印象を、誰もが憧れる女優を起用することで払拭し、若者の間でブームとなった。その後、ハイボールは老若男女問わず愛飲されている定番ドリンクになっている。

 また、サントリー酒類が09年にハイボールで「外食アワード」(外食産業記者会主催)を獲得しているが、レモンサワー関連商品を続々と発売してブームの立役者となった宝酒造も17年に「レモンサワー」で同賞を獲得している。レモンサワーは今後、一過性のブームで終わらず、どこでも飲むことができる定番ドリンクとして定着していくだろう。

 さらにその先は、レモンだけではなくさまざまなかんきつ系を中心としたフルーツのサワー、またはお茶で割った茶割など、おなじみの味で低糖質かつ飲みやすいアルコール飲料に注目が集まるのではないかと予測する。

 外食業界の発展を目的に活動を続ける筆者としては、レモンサワーがブームになるだけなく、レモンサワーブームをきっかけに若者の愛飲者が増え、若者のお酒離れに歯止めをかける結果になることを願っている。レモンサワーのことばかり考えていたら、レモンサワーが飲みたくなってきたので、そろそろレモンサワーを求めて街へ繰り出そう。

著者プロフィール

有木 真理(ありき まり)

「ホットペッパーグルメ外食総研」上席研究員。1998年、同志社大学を卒業後、外食チェーン店へ。6年間勤務したのちに、フリーのフードコーディネーターに。2003年、リクルートに入社し、『ホットペッパーグルメ』に従事。全国の営業部長を経たのち、2017年、リクルートライフスタイル沖縄の代表を務めると共に、「ホットペッパーグルメ外食総研」の上席研究員として、食のトレンドや食文化の発信により、外食文化の醸成や更なる外食機会の創出を目指す。自身の年間外食回数300回以上。ジャンルは立ち飲み〜高級店まで多岐にわたり、全国の食に詳しい。趣味はトライアスロン。胃腸の強さがうりで1日5食くらいは平気で食べることができる。食を通じて「人」と「事」をつなげるイベントオーガナイザーも務める。自らが「トレンドウォッチャー」として情報発信を行う。


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