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ハロウィーン「瓶の酒販売自粛」の実行をセブンが約束できない事情渋谷区が異例の要請(1/2 ページ)

» 2018年10月31日 11時13分 公開
[昆清徳ITmedia]

 10月31日のハロウィーン本番を控え、渋谷区がピリピリしている。仮装した群衆が捨てるごみをどう減らすべきか頭を悩ませているのだ。実際、10月27日と28日には大勢の若者らが集まり、翌朝には多くのごみが町中に放置されていた。特に、割れた瓶があちこちに散乱していたため、車のタイヤがパンクしたり、ごみを回収する清掃会社の従業員がけがをしたりする可能性があったという。

 渋谷区は群衆が特に集まる場所で営業している大手コンビニチェーンと「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」の計17店舗に対して、瓶に入った酒の販売自粛を要請した。具体的には、10月31日午後6時から11月1日午前6時にかけて、瓶に入った酒を冷蔵庫から撤去するというものだ。渋谷区の担当者によると、依頼文を持って、各店舗に直接届けて回ったという。

 渋谷区の要請に対して、ローソン、ファミリーマート、セブン-イレブン、ドンキはどのように対応するのだろうか。

photo セブンは瓶に入った酒の販売を自粛するか?(写真提供:ゲッティイメージズ)

大手コンビニチェーンとドンキの対応

 ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、ローソンとファミマは要請された時間帯に対象店舗で瓶に入った酒の販売を自粛すると回答した。ファミマの広報担当者は「(販売の自粛だけでなく)弊社のスーパーバイザー(SV)と店舗の従業員が、店の前を中心に掃除活動を行います」と説明した。

 MEGAドン・キホーテ渋谷本店は、10月31日午前0時から11月1日午前6時まで瓶に入った酒の販売を自粛する。広報担当者は「自主的に販売を自粛する時間を長くした」と説明した。また、百貨店や駅のトイレで仮装する参加者が増えていることが社会問題となっていることを踏まえ、コスチュームをドンキで購入したお客に対し、更衣室を用意すると発表している。

 一方、セブンの広報担当者は、「渋谷区から自粛要請があったことは把握しています。ただ、弊社としては販売自粛を(各店舗に)強制できない立場にあります。加盟店と打ち合わせをしながら、自粛する方向で検討しております」と歯切れの悪い回答に終始した(10月30日時点)。もちろん、渋谷区からの要請を企業が必ずしも実行する必要はないのだが、どうしてなのだろうか。

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