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» 2018年11月08日 06時45分 公開

内田恭子の「日常で触れたプロフェッショナル」:今の私になくてはならない、風変わりな天才のN先生 (5/5)

[内田恭子,ITmedia]
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 のび太くんとドラえもんの話も印象的だ。いつもドラえもんに頼っているのび太くん。彼が成長したときに彼らの関係はどうなっているのかという話だ。

 ダメダメだった最初のころののび太くんには、本当にドラえもんが必要だったのかもしれない。けれど、ずっとそのままではのび太くんは何も成長しない。将来、もしドラえもんのポケットが使えなくなったとき、のび太くんはそれでも「ドラえもんはドラえもん」として受け入れられるのか。優しく声をかけてあげられるのかと。

 先生は、それは医者と患者の関係も一緒だという。いつまでも先生に言われる通りに、薬を飲んでいたって何も意味がない。自分の生活を見直し、環境を整え、自分の体と向き合う。そうでなければずっと成長できないのび太くんと同じだと。砂糖、小麦粉を控えた生活をし、毎日雑巾掛けをするくらいの運動をしたほうがいいと言い続ける先生。はいはい、とうなずきながら、気にしない私。少々胸の痛い話である。

 これから私が成長したのび太くんになれるかどうかは置いといて、N先生は漢方医としてもそうだけれど、いろいろなものの見方、考え方を私に教えてくれるという意味でも、今いなくてはならない人となっている。10月中旬に受けた最後の診察。

 「何か疲れがとれないでしょ」

 と一言。さすがです。その前の週が特にひどく、寝ても寝ても眠い日が続いていのだ。

 「そうそう! そうなんです」

 「夏から秋になって、外の湿気はなくなったけれど、体に湿気がまだ残っているんだよ」

 その後、また私には理解できない難しい話を始めた。

 けれども、追加してくれた薬を飲み始めてから、疲れもとれ始めたみたい。やっぱりすごい、N先生。やっぱり彼は愛すべき変人である。

著者プロフィール

内田恭子(うちだ きょうこ)

キャスター。1976年6月9日、ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。神奈川県横浜市出身。1999年、フジテレビ入社。同局のアナウンサーとしてさまざまな番組を担当後、2006年に退社・結婚。現在はテレビ・ラジオ・雑誌連載・執筆活動などをベースに、読み聞かせグループVOiCEを立ち上げ都内の小児病棟などで読み聞かせを行い、また「女性のHappyは世界を変える」をテーマにLena’sを主宰し日々活動を行っている。公式ブログ「Dear Diary,」

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