巨人の原監督は、“球界の寝業師”になりつつあるのか赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2018年11月12日 12時10分 公開
[臼北信行ITmedia]

 巨人の新指揮官、原辰徳監督が就任早々から精力的に動いている。初仕事となったドラフト会議に出席後、秋季キャンプでチーム初合流、そして日米野球のため来日したMLBオールスターチームとのエキシビションマッチでは早速、初采配も振るった。

 前監督の高橋由伸氏が退任。事実上の解任劇ともささやかれる中、バトンを引き継いだ。4年ぶりの再々登板。巨人としては史上初となる3度目の監督就任に本人は相当に気合が入っている様子だ。ドラフトこそ自ら率先してくじ引きに臨み、意中だった大阪桐蔭・根尾昂内野手の交渉権獲得に失敗したものの、その鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように今オフの補強でも水面下で大物獲得に向けて大号令をかけている。

 そもそも巨人はまだ由伸体制だった当初、今年のドラフト1位候補を金足農のエース、吉田輝星投手に絞り込んでいた。これを根尾へと急きょ引っくり返したのが「就任直後の原監督」と指摘する声は球団内でも多い。

 こうした情報を整理すると、原監督は編成に対しても強力に自分の意見を押し通すことが可能な「全権監督」を狙っているとみて間違いないだろう。だから今オフのFA戦線でも広島の丸佳浩外野手、西武の炭谷銀仁朗捕手に触手を伸ばし、さらにはオリックスを退団する中島宏之内野手、米大リーグのシアトル・マリナーズを退団した岩隈久志投手の獲得まで視野に入れているのだ。

就任早々、原監督が精力的に動いている(写真提供:ゲッティイメージズ)

 球団関係者も声を潜めながら次のように言う。

 「すべては原監督の“指令”だ。今の巨人は層が薄い外野の補強が何より急務で、左の強打者がほしいところ。その条件にピタリと当てはまる丸を獲得すれば、ここまでコテンパンにされてほぼ手も足も出ない広島の戦力を大幅に切り崩すことにつながる。

 銀仁朗はチーム内での評価が低い小林(誠司捕手)の補てん要員。何より原監督は“打てない捕手”を好まないから、これで小林に対する風当たりを強めるのは必然の流れだ。(2009年開催の第2回)WBCで侍ジャパンの監督を務めた際に、原さんは中島と岩隈を招集した。そう考えれば4人は“原推し”の人員であることは間違いない」

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