今年1月、『なぜ女子中高生は「韓国カルチャー」にハマったのか』という記事の中で詳しく述べたが、今の韓流ブームの下支えをしているのは、ヨン様や韓流ドラマにハマったシニアや奥様世代ではなく、女子中高生などの若い女性たちである。
彼女たちは、タッカルビなどのグルメ、「Kビューティ」の名のもとで売られる「エチュードハウス」などの韓国コスメ、そしてTwiceやBTSというK-POPスターたちの、インスタやYouTubeをフル活用するプロモーションにハートをガッチリわしづかみにされている。
この世代の最大の特徴は、自分たちの愛するものと、日本と韓国の間に横たわる歴史問題を全く切り離している点にある。
それを象徴するのが、昨年10月に政府が行った「外交に関する世論調査」だ。ここで韓国に対して「親しみを感じる」と回答したのは、男性が32.2%だったのに対して、女性は42.3%と多いのだが、さらに断トツで多いのが、18〜29歳。50.6%と半数以上が「親しみを感じる」と回答しているのだ。
外交に関する世論調査(出典:内閣府)
一時期よりも落ち着いたとはいえ、ニュースで韓国の「反日」や「従軍慰安婦」問題が取り上げられれば、「国交断絶!」「韓国人は来るな!」という怒りの声が溢れている。幼いころからスマホやネットでそのような情報に触れている世代にもかかわらず、だ。
これこそが、今回の「原爆バンザイTシャツ」で韓流ブームが失速しないとみる理由の一つだ。BTSを支持して、今の韓流ブームを牽引している若い女性たちは、基本的に「愛国」と「韓国カルチャー」を完全に切り分けている傾向が強い。
このような女性たちにどんなに「あいつらは反日だぞ」「こんな連中を応援するなんて非国民だ!」と迫ったところで、「あんなチャラそうな男と付き合うことは許さん!」と娘の彼氏を否定するお父さんのように、「うざい」の一言で片付けられてしまうだけなのだ。
- 日本のおじさんたちが、「アデランス」をかぶらなくなったワケ
アデランスがMBOを実施すると発表した。投資ファンドからの支援を受けながら経営再建を目指していくそうだが、業績低迷の背景に一体何があったのか。日本のおじさんたちが「かつら」をかぶらなくなった……!?
- モスバーガーが「創業以来の絶不調」である、もうひとつの理由
業界第2位のモスバーガーが苦戦している。「創業以来2度目の絶不調」とも言われ、あれが悪い、これが悪いとさまざまな敗因が取り沙汰されている。どれも納得のいく話であるが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。それは……。
- 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。
- なぜ日本のおじさんは怒ると「責任者を呼べ!」と騒ぐのか
街中を歩いていて、おじさんが「責任者を出せ!」と騒いでいるのを聞いたことはないだろうか。例えば、駅員に大声を出したり、コンビニの店員を叱ったり、とにかく日本のおじさんはよく怒っている。なぜおじさんは「責任者を呼べ!」と叫ぶのか、その背景を調べてみると……。
- 大東建託が「ブラック企業」と呼ばれそうな、これだけの理由
電通、NHK、ヤマト運輸など「ブラック企業」のそしりを受ける大企業が後を絶たないが、ここにきて誰もが名を知る有名企業がその一群に加わるかもしれない。賃貸住宅最大手の「大東建託」だ。なぜこの会社がブラック企業の仲間入りするかもしれないかというと……。
- 「着物業界」が衰退したのはなぜか? 「伝統と書いてボッタクリと読む」世界
訪日観光客の間で「着物」がブームとなっている。売り上げが低迷している着物業界にとっては千載一遇かもしれないが、浮かれていられない「不都合な真実」があるのではないだろうか。それは……。
- マスコミの「感動をありがとう!」が、実はとってもヤバい理由
「感動をありがとう!」の大合唱が日本中に溢れている。『24時間テレビ』で、みやぞんのトライアスロンに心が打たれた人も多いだろう。甲子園で、1人のエースが881球を投げたことに勇気をもらった人もたくさんいるだろう。こうしたムードに対して、筆者の窪田氏は違和感を覚えるという。どういうことかというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.