戦後70年を経て、日本人は「あれで戦争が終わった」「戦争を始めた日本にも責任がある」と驚くべき「もの分かりの良さ」によって「しょうがない」と受け入れているのだ。
これはかなり異常なことだ。なぜかというと、加害者側でさえ、70年も経過をすれば原爆の非人道的な側面に気付き、罪悪感に苛(さいな)まれているからだ。
67回目の「原爆の日」に、原爆の投下を命じたトールマン元大統領の孫が初めて平和式典に参列して、14万人という尊い命を一瞬で消し去った史上最悪の「大量殺戮兵器」を、祖父が使ったことについて、いったいどう考えているのかと読売新聞が尋ねたら、「私は米国の教育を受け、原爆投下は早期終戦のためと教わった」と答えたことからも分かるように、かの国では原爆はアメリカンジャスティスの象徴だった。
実際、調査会社ギャラップが戦後50年に実施した調査では59%が、戦後60年の調査では57%が原爆投下を支持していた。
だが、これが変わってきた。近年のネット調査の結果では、18〜29歳の若年層では45%が「間違っていた」と回答して、「正しかった」と回答した41%を上回った。
なぜ被害者である日本の若者の間では「しょうがない」が増えているのに、加害者である米国の若者が「間違っていた」と真逆の結果が出てきたのか。
いろいろな理由があるが、個人的には「議論」が大きいと思っている。
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