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» 2018年11月19日 07時00分 公開

「ママ」に会ってきた:モヤモヤ抱えるミドルへ 500人が人生相談に訪れた「昼のスナック」の秘密 (1/4)

平日の昼間にさまざまな人が訪れる「スナックひきだし」。2017年6月に営業を始めてから、口コミやSNSを通じて延べ500人が来店した。みんなここで何をしているのか。「ママ」を務める木下紫乃さんに話を聞いた。

[加納由希絵,ITmedia]

 東京・麻布十番。平日の昼間に次々と客が訪れるスナックがある。客の年齢や性別はさまざま。ビジネスパーソンや経営者、学生、子どもを連れた女性……。客たちが並んで座るカウンターの中で、笑顔で話を聞いているのが「ママ」だ。

 この場所は「スナックひきだし」という。人材育成研修やキャリアカウンセリングを手掛ける企業「株式会社ヒキダシ」が週1回、運営している。2016年にヒキダシを起業した木下紫乃さんが「ママ」を務める。17年6月に始めてから、口コミやSNSを通じて延べ500人が来店した。

 なぜ昼間からスナックに人が集まるのか。ここで何をしているのか。スナックひきだしが目指す「場」について、木下さんに話を聞いた。

photo 「スナックひきだし」のママを務める木下紫乃さん

“人のつながり”が生まれる場

 「もう会社辞める!」

 勢いよく店に入ってきた女性は、ママに愚痴を吐き出した。話を聞いてみると、女性は大企業に勤めているが、業務内容や会社の風土が自分に合わない様子。

 「今日は○○さんが来てるから、ちょっと話を聞いてもらいなさいよ」

 ママが紹介したのは、ある中小企業の社長。人を雇う立場の経営者と話をすることが、彼女の助けになるのではないかと考えたからだ。

 大企業で勤務するその女性には、自分の会社の経営陣と直接話す機会はほとんどない。そんな彼女にとって、「社長」とカウンターで並んで座り、話す経験は新鮮だった。

 感情的になっていた女性も冷静になり、自分のキャリアについて落ち着いて考えることができたようだ。その数カ月後、彼女は話を聞いてもらった社長の会社に転職した。

 「スナックひきだし」では、こんな“人のつながり”が絶えず生まれている。

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