それが筆者の気のせいではないことは、検討会が終わってから、委員長として案をまとめている東京大学・家泰弘名誉教授のマスコミの囲み取材で、記者から「一言で言うと否定的」というような感想が相次いだことからも明らかだ。
では、なぜ日本学術会議という、「学究の徒」を代表する人々が、ハタから見ていて心配するくらい、ILCに否定的なのか。
いろいろなご意見があるかもしれないが、推進派、否定派の皆さんの主張を俯瞰(ふかん)してみると、ここと非常に似ている現象があることに気付く。
それは、「部活動の予算配分をめぐるゴタゴタ」だ。
体育会であっても文化部であっても、部活動をするにはどうしてもお金がかかる。が、予算は限られているので、どうしても野球部とかサッカー部という花形の分配が多くなり、部員の少ないところなどはスズメの涙なので不満が爆発――。
よくスポ根マンガや学園ドラマなどにも登場するワンシーンだが、実はILCに関しても同じことが起きている可能性が高い。
ご存じのように、近年、研究者個人へ振り分けられるカネが減っている。科学技術関連予算の総額は減っていないものの、日本の競争力を上げるような大型プロジェクトに予算が集中されているからだ。
文科省が2016年7月に行ったアンケートでも、所属機関から研究者に支給される個人研究費は、「50万円未満」と答えた教員が6割にのぼったのだ。
こんなことでは日本の科学競争力はジリ貧だ、とノーベル賞を受賞するような方たちがずいぶん前から、苦言を呈しているが状況は一向に改善せず、悪化するばかりである。
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