デジタルのスケジュール管理やタスク管理ツールは、数えきれないほどのクラウドやアプリで提供されているが、手帳やアナログ文具への人気にはまったく太刀打ちできていないと言っても過言ではないだろう。
いろいろな理由があるだろうが、ひとついえるのは、現在のデジタルサービスは基本的に紙の持つ機能の追随だということ。デジタルへの置き換えにしか視点がない限り、追いつくのは難しい。
つまり、手帳をただの平面的な何かを記入するものという視点でいる限り、手帳を超えることはないだろう。
以前システム手帳が生まれ、自分なりにカスタマイズでき、情報管理の方法が変わり、仕事のスタイルに変化が生まれたような、せめてこれぐらいの「変化感」がないと厳しい。さまざまなスタイルの手帳を選ぶということは、仕事の(生活の)スタイルを選んでいることに他ならない。
デジタルツールが、仕事の仕方や行動を変えるような機能を持つことができれば、大きく変わる可能性はある。
ツールとして形があるということも大きい。機能だけではないということだ。アナログ手帳を愛する人たちの活用方法を見てみればすぐに分かるように、単にスケジュールやタスク管理だけに使っている人はもはや少数だ。自分の好きなことをサポートするツールとして使っているわけで、そうなるとそのツール自体に愛情が向く。
その点、スマホは中のデータで勝負だから、ツールとしての形がない。これは気付きにくいポイントだが、かなり大きな理由ではないかと思える。(猪口真)
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