日清と激突? セブンの冷凍カップチャーハンが起こした“革命”と“カップご飯戦争”長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)

» 2018年12月18日 06時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

 セブン‐イレブン・ジャパンがプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」の新商品として、11月20日に首都圏など一部の店舗でカップに入った冷凍チャーハンと冷凍ピラフを発売した。これが、大きな反響を呼び“カップご飯”の新定番になる勢いだ。

 セブンの店舗に行くと、壁面ケースと平台ケースの両方で、これらの商品が販売されているのをよく見かける。同社では販売数を公表していないが、スペースの限られたコンビニで同一商品を2カ所で売ることは珍しい。大きな手応えを得ている証である。

 弁当と同様、レジの店員が電子レンジで温めてすぐ提供できる縦型形状のカップの持つ簡便性が受けている。家に持ち帰ってから食べるという冷凍食品の概念を打破する、革命的な商品だろう。冷凍米飯は主婦が主な購買層だが、カップ化することでビジネスパーソンや学生にも広がりそうだ。

 現状、販売されているのは「炒め油香るチャーハン」と「バター香る海老ピラフ」(いずれも税込213円、以下同)の2品。容量は1食分で170グラム。いずれも、冷凍チャーハンメーカー“3強”の1角を占める味の素冷凍食品が製造している。

 中身が同じで袋に入った150円の商品も全国で販売されているが、「早くカップ入りを販売するエリアを拡大してほしい」との声が続々と寄せられている状況だという。

 今回は、冷凍カップチャーハンやピラフとともに、冷凍米飯やカップご飯の歴史と将来性について考察したい。

photo セブンの「炒め油香るチャーハン」と「バター香る海老ピラフ」

テスト販売で冷凍米飯の売り上げが5倍に

 セブンの冷凍カップチャーハンとピラフは、1年ほど前からごく限られた店舗でテスト販売が始まり、着々とブラッシュアップが行われてきた。

 当時は「カップのままで食べられるチャーハン」と「カップのままで食べられる海老ピラフ」という商品名であった。現在、販売されている商品と基本的なテイストは変わっていないが、香りをはじめとする付加価値を向上させている。

 その後、仙台地区を中心にテスト販売が続けられ、冷凍米飯の売り上げが従来の5倍になるほどの目覚ましい成果を上げた。今回、首都圏で本格的な販売を開始するにあたっては、相当な自信を持って臨んでいる。

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