ミクシィ子会社のスマートヘルス(東京都渋谷区)は2019年1月23日に、女性専用トレーニングジム「ココサイズ」1号店を東京都世田谷区にオープンする。筋肉の増強やダイエットを主眼に置くのではなく、柔軟性不足や体のゆがみなどを改善し、健康状態を向上する「コンディショニング」に特化したメニューを提供する点が特徴。人工知能(AI)を活用して体の状態を診断するサービスも実施し、競合店との差別化を図る。
ミクシィはチケット売買仲介サイト「チケットキャンプ」が18年5月に閉鎖に追い込まれたことなどを受け、業績改善に向けて新規事業に注力している。ヘルスケア事業もその1つで、スマートヘルスは17年12月に設立後、京都大学大学院に協力を仰ぐなどし、同分野のノウハウを蓄積。ジム開業に向けて準備を進めてきた。
ジムの広さは約60坪。トレーニング用のエリアに加え、体調診断用のエリア、顧客同士がコミュニケーションを取れるエリア、ロッカー、受付が設けられている。同時にトレーニングできる人数は12人程度で、男女4〜5人のトレーナーが個々人に合わせた運動を指導する。
トレーニング器具はほぼなく、自重(自身の体重を負荷とする手法)によるメニューが中心となる。具体的には、(1)筋膜をほぐし、血流をよくする、(2)ストレッチで可動域を広げる、(3)ボールに力を加える練習などによって正しい体の使い方をマスターする、(4)スクワットなどで弱い部分を鍛える――といった流れになる。
月額料金が税別7000円と比較的安く、顧客は何度でも利用できる点が特徴。体質の早期改善に向け、週に3回以上の来店・運動を推奨している。
スマートヘルスの荻野泰弘代表取締役は「プロのパーソナルトレーナーに指導を受ける場合は、月に10〜20万円と高額な料金が必要だが、当社のジムはAIを活用した診断を採用し、トレーナーに依存せずとも個々人の体調を把握することで価格を下げている」と自信を見せる。
AI診断では、しゃがんだり、四つん這いの状態から手足を対角線上に伸ばしたり、歩いたり――といった動作を顧客に行ってもらい、その様子をタブレットのカメラで撮影。動画の中から人間の関節を判定し、その角度や動き方を自動で算出するAI技術によって、姿勢、可動域の広さ、力を加えた際の震えなどを数値化する。
状態を測定できる部位は肩・胸椎・腰椎・股関節・膝・足などで、その結果をもとに、トレーナーが顧客一人一人に応じたエクササイズを提案する。タブレットは来館時に顧客に貸与し、測定結果やメニューをいつでも閲覧可能にする。顧客が他社のジムや病院に通う場合などに備え、測定結果を記した紙の手帳も入会時に配布。トレーニングや治療を引き継ぐ担当者が、内容を見ただけで体調を把握できるようにする。
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