「新横浜線」だけではなく、互いの会社名を冠した。これが秀逸な要素の2つ目。これは境界を分かりやすくするためだけではない。神奈川県外から東海道新幹線で新横浜駅まで来た人に、適切な経路を示す効果がある。横浜へ行くならJR横浜線に乗ればいい。相鉄沿線に行くなら相鉄新横浜線、東急沿線に行くなら東急新横浜線に乗ればいい。
課題があるとすれば、東急東横線・目黒線から先の地下鉄直通方面をどう案内するかだ。しかし、いったん東急新横浜線に乗れば、あとは乗り換え案内アプリが何とかしてくれるだろう。主な直通先はどこになるか。ダイヤも未定だから、これは頑張ってほしい。
東急新横浜線は、東横線直通なら東京メトロ副都心線、東武東上線、西武池袋線の路線図に記載されるはずだ。目黒線直通なら東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線、埼玉高速鉄道の路線図に記載されるだろう。これらの路線は全て、乗り換えなしで東海道新幹線の駅まで行けることになる。これは沿線の不動産価値を上げる好材料だ。JR東海と組んだプロモーションが行われるかもしれない。あるいは、新横浜始発の列車を増やすなどの対応もあるかもしれない。
青線が「相鉄新横浜線」、赤線が「東急新横浜線」。相模鉄道の新区間先行開通は2019年で、いずみ野線全通から20年ぶり。東急電鉄の新区間開通は1984年の田園都市線中央林間延伸から38年ぶり
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お盆休みが終わり、帰省先から首都圏に人々が帰ってきた。満員の通勤通学電車も復活した。国も鉄道会社も混雑対策は手詰まり。そもそも混雑の認定基準が現状に見合っていないから、何をやっても成功できそうにない。その原因の1つが現状認識の誤りだ。
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東急電鉄が田園都市線の早朝に特急を新設・増発する。その名も「時差Bizライナー」。小池都知事が提唱する“時差Biz”に対応した列車だ。都議会選挙期間中の発表はあざといけれど、ダイヤを見ると神奈川県民向けサービスになっている点が面白い。
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小田急電鉄が江の島で実施した自動運転路線バスの実証実験。手動運転に切り替える場面が多く、がっかりした。しかし、小田急は自動運転に多くの課題がある現状を知ってもらおうとしたのではないか。あらためて「バス運転手の技術や気配り」の重要性も知った。
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